ウォーターロジックの創業から、
UV(紫外線)を利用した「ファイヤーウォール®」技術の
開発の経緯など、
詳しく紹介しております。
さっそく、Waterlogic本社から海外市場開拓担当ディレクターであるモシェを呼び、興味を示していただいたその企業へのプレゼンを実施しました。
すでに、宅配水ボトリング工場を全国各地に持っていたにもかかわらず、日本市場での水道直結POU浄水器の必要性を長期的視点で考えておられたことから、さっそくサンプル機を取り寄せ、主に細菌の繁殖に関する試験がスタートしました。結果は良好で、前向きに話がすすめられることになりました。
その後、日本市場向けにさまざまな改良の要望をいただくことになりましたが、最初の時点では唯一、Waterlogicの考え方と合わない点が、RO(逆浸透膜)サーバーを選択された点でした。
当時の日本市場に、水道直結型のPOUウォーターサーバーが皆無だったかというと、実は細々ながらRO(逆浸透膜)タイプのウォーターサーバーがありました。このため、国内市場には、すでに市場で実績のあるRO(逆浸透膜)サーバーでなくてはいけないという暗黙の了解のようなものがありました。
ほぼ純水に近い水をつくることができるRO 水は、汚染物質を除去できる反面、本来水道水が持っているミネラル分までをも取り除いてしまいます。さらにRO 水をつくるためには、元々の水道水の1/3から2/3を捨てなくてはいけないという家庭用としては、環境的にも、経済的にも課題の多い浄水システムです。
もともとは、海水の淡水化などで活用される技術で、実際に中東などで大型の水インフラ設備に幅広く採用されています。本来、水資源が比較的豊かな日本にはあまり適さないシステムでした。
逆浸透膜(RO)の原理
とはいうものの、まずはROタイプのウォーターサーバーを日本市場に導入することで、最終的にWaterlogicも同意しました。Waterlogicは、水質に問題を抱える発展途上国向けのラインナップとして、ROタイプの製品をすでに持っていたので、あらたな製品開発が不要でした。そして、ベースとなる機種はすぐに決まりました。
そして、両社の技術者同士の交流がはじまり、ここから約1年をかけて、日本市場に向けてのいくつかの改良ポイントを慎重にクリヤして行き、同時にビジネス展開のための契約交渉がすすめられました。また、日本に輸入し、消費者向けに事業展開をするためのさまざまな認証の取得作業にも10か月近くを要し、ようやく試験的な導入と実際の市場でのテストが始まりました。
ここまでで、WaterlogicとFBPとの最初のコンタクトからすでに2年近くが過ぎようとしていました。